2018年8月22日(水)と24日(金),今年度のあすかぜ高校との高大連携教育が実施されました。電気電子工学科では,22日に1年生向け,24日に2年生向けの授業を担当しました。
まず8/22(水)の 13:20~14:50の1時間30分,G207教室において1年生向けに,
「フィジカル・コンピューティングによる 電子モノづくり講座」
を開講。授業に使用する材料や機材等のため受講者を約20人に限定しての実施です。担当は木村尚仁教授。そしてゼミ生の猩々君,石原君,西田君,上野君がティーチング・アシスタントを務めてくれました。
この講座ではSTEAM教育としてLEDやフィジカルコンピューティングについて学びつつ,実際に電子工作とそれを制御するプログラミングを行います。
昨年度もほぼ同趣旨の講座を実施しましたが,そのときにはマイコンに Mbed を使いました。しかし今回は新たな試みで micro:bit を利用してみました。
前半はLEDの科学的原理や光の三原色について,クリッカーを使って受講生と双方向のやり取りをしながら学びます。
中盤はLEDミニランプ作り。ミニブレッドボード上にRGBフルカラーLED,電気抵抗,タクトスイッチなどを配置,配線して作っていきます。最後にお湯で柔らかくなるプラスチック粘土で自分の好きな形を作り,LEDに被せて完成。
さらに後半では,英国 BBC が教育用に開発したフィジカルコンピューティング用マイコンである micro:bit によるプログラミングを行います。まずブロックを組み合わせてプログラムを行っていく基本操作をトレーニング。ついで,自分たちが作ったLEDミニランプの色を少しずつ変化させ,最後には白色になるようプログラムを作成。実際に自作のランプの色が変化する様子を楽しみました。
やはり90分に詰め込むには盛りだくさんだったのですが,受講してくれた生徒さんたちの手際が良く,アシスタント学生のみんなの協力もあって,所々端折りながらも一応最後までたどり着きました。
ついで 8月24日(金)13:20~14:50の1時間30分、G306教室においてあすかぜ高校2年生向け高大連携授業 「大学入試センター試験の物理問題に見る先端技術」 を実施しました。
担当した教員は佐々木正巳教授、参加してくれたあすかぜ高校2年生は40名でした。
最初に、「数学や理科の学習ツールとしての利用価値大!」と言うことで「表計算ソフト」を紹介しました。表計算ソフトとしてはMicrosoft社のExcelが有名ですが、現在はフリーなアプリもあること、iPhone利用者であればタダでNumbersという表計算ソフトを利用できることを紹介しました。
次に、表計算ソフト利用体験と言うことで、数学でもおなじみの三角関数を利用して波の重ね合わせの計算をExcel上で実行してもらい、さらに、その計算結果をグラフ化して視覚的に確認してもらいました。
これらを踏まえて、波の重ね合わせをテーマとした大学入試センター試験の過去問題(物理)を紹介し、その波の重ね合わせ問題の原理が実は最先端技術にも応用されていることを紹介しました。その最先端技術と言うのが「フェーズドアレーアンテナ」や「フェーズドアレーレーダ」と呼ばれるものです。
フェーズドアレーレーダは、最先端技術を搭載したイージス艦にも用いられている他、地球観測衛星、気象観測レーダ、スペースデブリ観測用レーダとしての利用にも研究・開発されています。
また、先ほどのセンター試験の過去問の計算結果をグラフ化することで、その計算結果がフェーズドアレーレーダにとってどういう意味を持つのかを説明しました。
今回の連携授業を通して、大学受験問題と言えども現実世界とは無関係ではなく、すべては現代の社会を支え、豊かにしてくれている技術の一端を勉強していると言うことを感じ取ってもらえればと願っています。
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