2019/05/09 2019年度上期第2種電気工事士の筆記試験対策講座を実施中
皆さん、こんにちは。
今年も第2種電気工事士(国家資格)の筆記試験対策講座の季節がやって まいりました。
第2種電気工事士の筆記試験は7つの科目と範囲から出題されますが、 今日(5/9)は1番目の科目「電気に関する基礎理論」に関する過去問題を 解きながらの勉強をしました。
この「電気に関する基礎理論」の問題としては、物理や電気回路の基礎的な 知識があれば十分に解ける内容となっているのですが、限られた解答時間内で 効果的に正解を導き出すには、ちょっとしたコツも必要になってきます。
例えば、2018年度下期に出題された問題として、次のようなものがあります。
【問題】 電熱器により,60kgの水の温度を20K上昇させるのに必要な 電力量[kW・h]は。 ただし、水の比熱は4.2kJ/(kg・K)とし、熱効率は100%とする。
【解答選択肢】 イ.1.0 ロ.1.2 ハ.1.4 ニ.1.6
この問題を解く場合、基本的な知識として最低限必要となってくるのが、 1(W・s) = 1(J)の関係です。
これより、1(kW・h)が何kJになるかを求めます(覚えていれば別ですが・・・) これは、1(kW) = 1000(W)、1(h) = 60×60(s)から、 1(kW・h) = 1000×60×60(J) = 60×60(kJ) ① になります。ここでは、60×60をそのままの形で残しておきます(計算すると 3600になりますが・・・)。
次に、60kgの水の温度を20K上昇させるのに必要な熱量(kJ)は、比熱の 単位がkJ/(kg・K)なので(分母にkg・Kがある)、この比熱(の分子)にkg単位 の重さとK単位の温度を掛け算すると、ちょうどkg単位とK単位が約分され て消え、kJ単位の熱量しか残らないことが分かります。従って、 必要な熱量 = 60×20×4.2(kJ) ② になります。 ここでも重要なのは、60×20×4.2を計算してしまわないことです(計算する と5040になりますが・・・)。
式①と式②から、求めるべき電力量(kW・h)は、 (60×20×4.2)/(60×60) (kW・h) になります。ここで、分母の60と分子の60を約分して、 (20×4.2)/60 (kW・h) となり、さらに分母の60と分子の20を約分すると、 4.2/3 (kW・h) と非常に簡単な式になります。ここまで簡単になると計算間違いをする可能性も 低くなりますね。したがって答えは、 4.2/3 = 1.4 (kW・h) となり、「ハ」が正解となります。
ちなみに、その都度計算をしてしまうと、最後に求める式は5040/3600になり ます。これだと、簡単に暗算で解くことは難しくなります。
このように、ちょっとしたコツをつかむと計算問題も効果的に解くことが できるため、この筆記試験対策講座では色々な解答のためのコツの説明を交えた 解説をしています。
どうですか? これなら筆記試験も楽に突破できそうだとは思いませんか?
このHPを見てくれた高校生の皆さん、是非、北海道科学大学の電気電子工学科に 入学して、国家資格を1つでも2つでも勝ち取って下さい!
[文・写真/佐々木 正巳 教授]