2025/06/23 北科大高校の「理科実験」で佐々木教授が「基礎的な数学の知識だけでサウンドを操る電気電子回路の動きが分かる!?」の授業を行いました
- 管理人
- 6 日前
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2025年6月,本学系列校の北海道科学大学高校の2年生進学コースの選択授業「理科実験」において,当学科の佐々木正巳教授と木村尚仁教授が全3回にわたる特別授業を行いました。
第1回目は6月23日(月)に佐々木先生の担当で実施されました。
この日に行われた授業のテーマは「基礎的な数学の知識だけでサウンドを操る電気電子回路の動きが分かる!?」です。
このテーマは、難しいと思われがちな電気電子回路の振る舞いが、実はこれまで勉強してきた基礎的な数学の仕組みに沿って行われていることを、簡単な実験を通して自分自身の耳で体感できる内容になっています。
その基礎的な数学の仕組みと言うのは「三平方の定理(ピタゴラスの定理)」です。
三平方の定理を勉強するとき、平面上の距離の測定を例として挙げられることもありますが、その三平方の定理が電気回路(交流回路)の振る舞いを解き明かすのにも応用されていることを、国家資格である第二種電気工事士の学科試験の過去問を例にして説明されました。

次に、高校の物理でも出てくる基本的な回路素子、抵抗RとコンデンサCを組み合わせることで、低い周波数のサウンドは素通りさせ、高い周波数のサウンドは減衰させるLPF(Low Pass Filter)回路と、まったくその逆の特性(高い周波数のサウンドは素通りさせ、低い周波数のサウンドは減衰させる)を示すHPF(High Pass Filter)回路が、ちょっとした回路の変更だけで実現できることを説明しました。
そして、それが実際に実現できることをブレッドボード上に組み立てられた簡単な実験回路を使って、参加高校生自身の耳で体感して頂きました。
具体的には、これまたブレッドボード上に組み立てられたMP3 Playerから音楽を出力し、それをLPF回路やHPF回路を通すことで、どのように音楽の聞こえ方が変化するかを体験して頂きました。
そして最後に、音楽の聞こえ方の変化と、その波形の変化の対応関係を見てもらいました。
LPF回路では、高い周波数成分を表す細かいギザギザの成分がLPF回路の通過後では消えていて滑らかな波形になっていること、一方、HPF回路では、大きなうねりの成分がHPF回路の通過後では消えていて細かいギザギザの成分だけが残っていることが説明されました。

1つのグループでは、原因不明な半導体デバイスが異常に熱くなるというハプニングも発生しましたが、それもリアルな実験ならではの貴重な体験!???
参加してくれた生徒さんの授業終了後の感想の中には、
電気電子工学の実験ということで難しそうだなって思ってたけど直角三角形とかの分かりやすい説明とかもあってなるほどなと思うことがあったので良かった
細かい仕組みは難しくて理解し難いが、ドライバーで回した時の音の変わり様の明確さが一番印象に残った
難しい言葉がたくさん合って難しかったけど、回路を変えるだけで聞こえる音が変わったのが不思議で面白かった
のようなものがありました。
「難しいけど面白い」、「よく分からないけど興味が出た」など、そんなことが電気電子工学への最初の一歩となれるような体感できるテーマを、これからも増やしていきたいと思います。
なおこの特別授業の第2回(6/27)と第3回(6/30)は木村教授が担当。その内容については改めて記事をアップします。今しばらくお待ち下さい。
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